最近ニュースで「ウッドショック」という
ワードを耳にしたことはありませんか?
ヤフーニュースから抜粋した文章によると
ウッドショックとは以下のとおりです。
新型コロナウイルス禍からの経済回復が進む米中で木材需要が高まり、日本の輸入木材価格が高騰している。
不足感で国産材も値上がりし、業界では1970年代に起きた石油ショックに
なぞらえ「ウッドショック」とも呼ばれる。住宅や家具に価格転嫁する動きも出ており
林野庁は23日までに対策に乗り出した。
過去にも1992年~1993年やリーマン・ショック直前の2008年に
起きた木材価格の高騰に続き、
コロナ禍である2021年は3回目のウッドショックです。
輸入できない木材を国内の木材で補おうとするため、
不足している状態が続き、価格は昨年比で3~6倍ほど
高騰しています。
|ウッドショックの理由
何故ウッドショックが起きたかということを
詳しく説明していこうと思います。
①アメリカや中国における
木材需要の拡大
アメリカや中国でもコロナ禍の影響でテレワークが増え、
一戸建て住宅の新築するケースやリフォームが
増えています。
この2大国で需要が増え続けていることにより
世界的に建築木材が不足し続けている状態です。
②コンテナの不足
こちらもコロナウイルスの影響で
荷物を宅配する人が増えました。
そのため、木材を運ぶコンテナが不足し、
物流コストが高騰しています。
③国産の需給を増やせない
実は木材は海外の木材の輸入に依存しています。
国内での木材自給率は37.8%にとどまり、
その在庫を多くの業者が取り合っている状態です。
|なぜ国内の木材を増やせないのか
①木材輸入の自由化
木材不足、価格高騰に陥った昭和30年代以降から
徐々に海外の木材を輸入しはじめ、
昭和39年には木材輸入の自由化が完了しました。
これにより、安くて質の良いものが大量に
買えるようになり日本の高い木材が
あまり使われなくなりました。
②林業の人手不足
多湿の日本でまっすぐに乾燥した木をつくるには
たくさんの手間と時間がかかります。
「木なんてどこでも生えてるよね」と
お思いだと思うのですが、品質の良い木を
作るには人間が間伐し、きちんと管理しなければいけません。
しかし、①で海外の木材の需要が増えたことにより
林業の仕事が激変。
担い手も減ることとなり林業は衰退してしまいました。
一時18.8%まで下がっていたのですが、
現在は「緑の雇用担い手育成対策事業」により
37.8%まで回復しています。
以上が国産の木材の需要が少ない
大きな理由です。
|今から家を建てる人への影響
こちらが一番心配ですよね。
ウッドショックにより多くのハウスメーカーや
工務店が木材の卸業者から木材を
今まで通り仕入れできないという状況に
陥っています。
そのため、考えられる影響としては
□建築費の値上げ
□納期の遅れ
があります。
あるハウスメーカーの例を出すと、
首都圏などで平均的な4400万の新築住宅で
36万程度値上げする、とのことでした。
ローコスト住宅では5月に
40万の値上げ、さらに6月には50万以上の
値上げを予想されています。
一方で夏頃の契約分の確保ができている
会社もあるのですべての会社で値上げするという
わけではなさそうです。
|ウッドショックはいつまで続くの?
残念ながら見通しはついていません。
この状況が何か月も続くこともあり得ます。
|ウッドショック後価格は下がるの?
残念ながらこれもありません。
ウッドショックがなくても住宅の価格は
年々値上げりしています。
これは日本でもこのコロナ禍で住宅の需要が
増えたことも影響しています。
さらに政府が支援する、
「住宅ローンの控除」の3年延長が今年(2021年)9月末まで、
「グリーン住宅ポイント」が今年(2021年)9月まで
とのことで駆け込みに後押ししたことも
理由のひとつです。
そのため今後もさらなる値上がりが
予想されるそうです。
家を建てるタイミングが本当に
難しくなってきましたね。
こうなると中古物件の需要も増えますが、
こちらもリフォーム時に使う木材の金額が
上がったり、納期が延びる可能性があるので
そのつもりのほうがよさそうです。
以上長くなりましたがウッドショックの影響の
話でした。
早く状況がよくなるといいですね…。
(梶並)